2022~2023年度(令和4~5年度)の調査工事の概要です。

本格的な補強工事に入る前に補強内容を正確に割り出せるよう、調査を行いました。

今村天主堂の現状

( 国指定) 重要文化財今村天主堂は平成30年度に実施した耐震診断の結果より大地震で倒壊する恐れがあることが分かり、現在内部への立ち入りを制限しています。また建築以来110年が経過し、各部材の劣化やシロアリと雨漏りによる構造部材の破損のほか地盤が弱いため建物の自重による地面への沈下による煉瓦壁の亀裂や正面の塔が傾くなどの歪みが発生しています。

今村天主堂の修復工事に向けて

このような状況から、今村天主堂保存会では国( 文化庁) の指導の下、福岡県、大刀洗町と協力しながら耐震補強案を策定、本格的な建物の修復と耐震補強に向けて準備に着手し、現在はその第一段階として【調査工事】を進めています。実施中の調査工事の結果を踏まえ、来年度から天主堂の修復・耐震補強工事が始まる計画です。

調査工事の目的(2024年春まで)

文化財建造物の修復工事は貴重な建物を護るため綿密な調査と手仕事で時間をかけて行われます。社寺建築など伝統的な木造建造物の修復は過去から連綿と続いていることに対し、今村天主堂は木以外に煉瓦や石、コンクリートを用いた大規模な近代建築であり、修復に際し、より綿密な耐震・修復計画を立てる必要があります。そのため試験施工や基礎掘削確認など調査を主体とした工事を予め実施し、本格的な工事に向けた検討を行っています。

調査工事の内容

【仮設設置】 調査用の足場を設置しています。
裏足場外部調査足場・内部床面等養生・ローリングタワー・構台足場・小屋(身廊・側廊)・仮設間仕切・屋根面足場

【調査業務】 各部の解体や掘削を行い調査を実施しています。
建具取外し・復旧・床組解体・土間掘削・埋戻し・束石等取外し・壁仕上解体・煉瓦化粧目地撤去・実測調査・破損調査・仕様調査・解体調査(一部)・試験施工・地盤調査(ボーリング・土質験)・修理前写真撮影

【報告書作成】 調査工事の成果をまとめ修理の内容を検討しています。
調査工事報告書・保存修理工事事業費の概算・基本設計等

調査工事の成果と修理の検討

令和4年度の調査工事で実施した掘削工事で天主堂の基礎杭(松杭)の形状や配置が確認されたことで耐震補強計画(地盤改良)の詳細な検討を行いました。

そのほか、壁や屋根の破損調査の結果から、建物の修理計画や修理工事に掛かる課題の整理を行っています。